いきもの日記【1】気づいたらそこにいた、いきもの
引かないで聞いてほしい。
私は最近、いきものを飼いはじめた。
そのいきものとの出会いがいつだったか、覚えていない。
なぜなら、気づいたら家にいたからだ。
きっと我が家に来たときは、タマゴ、もしくはごく小さい幼虫だったのだろう。
私は名前に”はな”が付くこともあり、花が好きだ。
家にはできるだけ生花を飾っておきたくて、月に2回くらい、
大きな硬貨でお釣りがくるくらいの花を買って飾っている。
その日も、数日前に買ったオレンジのガーベラが目に入った。
「うん、元気そうだ」
そう思ってガーベラのまん中に目をやると、なにか動いていた。
それが、そのいきものである。
モソモソ動いて、私が買ってきたガーベラを食い尽くしていた。
周りには、丸くて茶色い何かがちらばっている。
ギョェ〜〜〜!
そう口から出そうになったが、一呼吸置いてそのいきものをみると、なんだか愛おしくなった。
私の目の前で、小さないきものが動いている。
いきものが花を食べている。
いきものがうん◯をしている。
ひさびさに目にした、自分よりはるかに小さい生物の生命維持活動。
「このいきものは、かわいいかもしれない」
1日目はそんなふうに思った。
🐛🐛🐛🐛🐛
2日目。
昨日発見したいきものがいるか確認すると、なんだか少し大きくなっていた!
夫に聞いても同じことを言う。
「やばい!このいきものは成長している!」
そして、いきものの周りの茶色い何かも増えていた。
私が寝ている間も、順調に生命維持活動が行われていたようである。
活発に動いていても、人の気配を感じると動きが止まる。
大丈夫?と思いながら無視していると、いつのまにか少し移動している。
このいきもの、ちゃんと生きている。
こんな小さないきものなら、一瞬でつぶすことができる。
外に捨てても、なんの問題はない。
でも、どうせならちょっと家に置いておこうかと思った。
この小さないきものがこれからどうなるか見てみたくなったから。
さなぎになるのか。
美しいおとなになれるのか。
はたまた、我が家の環境に耐えられず息絶えてしまうのか。
私のいきもの観察日記は、続く。