いきもの日記【6】大人になっていくいきもの
おはよう!
今朝、黄色いガーベラを見ると、いきものの姿がなかった。
「昨日と同じように、花の奥に隠れているのだろうか?」
でも、ガーベラは、さほど食い尽くされていないようである。
「逃げたのかな?」
そう思いながら、私は洗顔を済ませて化粧水をつける。
廊下ですれ違った夫に「いきものがいない」と報告した。
しばらくすると夫から驚きの一言。
「赤い花にいるよ」
えっ…
うそでしょ?
昨日の夜は、黄色のガーベラにいたよね?
昨日は私がわざわざ綿棒を使って、オレンジのガーベラから移動させたよね?
自分じゃ動けないよね?
そう思い半信半疑で赤いガーベラを見ると、
いきものは花の中心部に埋もれていた。
どうやら、いきものは、
夜の間に自力で移動したらしい。
イモムシ目線で見ると、2つの花にはけっこうな距離があるのに。
黄色いガーベラはおいしくなかったのだろうか。
赤いガーベラがあるとわかったのはなぜか。
目は見えているのだろうか。
匂いに誘われて移動したのだろうか。
移動にはどのくらい時間がかかったのだろうか。
いろんな疑問が湧いてきたが、
ひとまず元気そうだったのでよしとしよう!
背中を確認すると、心臓らしきものははっきり動いており、脈動が確認できた。
これを見て、私はいきものの健康状態を知ることができる。
脈は少しゆっくりだ。
まだ寝ているのだろうか。
(ちなみに、私は元看護師であり、日常的にヒトの脈拍を測っていた身である)
しばらくすると、いきものはまた食事を始めた。
そして、花の上を歩いて見せた。
いつのまにか、くっきりと【足】が生えている。
昨日までは体をくねらせて移動しているように見えたが、今朝は足を前後に動かしている。
新しい花への長距離移動をしたことで、足腰?が発達したのだろう。
いきものの生命力、そして成長スピードに、私は毎日驚いている。
いきものの周りをひととおり確認したあと、
私は、夜の間に散らばったうん◯を掃除した。
いきものが成長するにつれて、これもまた、私の日課になりつつある。
いきものはますます大きくなっている。
いきものが食欲旺盛なのはいいが、1日2本もガーベラを食べられると私の財布にも少し影響が出そうだった。
試験的に、晩ごはんの残りのキャベツを与えてみる。
私のいきものは食べてくれるのだろうか。
いきものを発見してもうすぐ丸5日。
夫も、いきものを直視できるようになった。
いきものは、すっかり私たち家族の一員である。